Interview #2
メガエフシーシステムズ株式会社
代表取締役社長 中島 康博氏
『吉野家』のフランチャイズ加盟第1号の老舗メガフランチャイジー。
飲食業中心の展開から、「ホスピタリティ」をキーワードに、介護ビジネスに挑戦!
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会社名 |
メガエフシーシステムズ株式会社 (MEGA F.C.SYSTEMS Inc.) |
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本社住所 |
〒229-0036 神奈川県相模原市富士見2丁目1番1号 相模原NSビル |
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設立年月日 |
1968年7月18日 |
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資本金 |
1億円 |
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代表者 |
代表取締役社長 |
中島 康博 |
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事業内容 |
牛丼の「吉野家」18店、炭火焼肉酒家「牛角」6店、とらふぐ料理専門店「玄品ふぐ」1店、介護施設(デイサービス)「茶話本舗」2事業所などの計28店のFC経営。何人の企業家を育成できるかに挑戦中。 |
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手形商売から現金商売の切り替え。超繁盛店のFC募集に応募
吉野家フランチャイズ加盟第1号としてFCをスタート
FCB 御社の生い立ちとFCをはじめた経緯について、お聞かせください。
中島 お話の前に、まず私は2代目経営者なのです。先代は最初、神奈川県の湯河原で旅館専門の魚の卸業を行っていました。しかし、卸業は売り掛け商売、つまり手形商売ですから売上はあるものの現金に乏しかった。そこで昭和44年、真鶴道路沿いに直営の魚専門の料理店『あみもと大吉』をオープンさせ、手形商売から現金商売へ切り替えました。
次にFC自体を始めたきっかけですが、築地に魚を仕入れに行った際、超繁盛店を見つけました。これが『吉野家』だったのです。市場内はとても忙しいわけですが、その中でも『吉野家』は「早い・うまい・安い」を地でいっていて、とても興味がわきました。そこで『吉野家』がフランチャイズ加盟店を募集し始めたときに手を挙げさせてもらったわけです。これが昭和48年、わが社は『吉野家』のフランチャイズ加盟店第1号となりました。
FCB 次にメガフランチャイジーに発展していった背景はどういったものでしょうか?
中島 昭和55年に吉野家の倒産事件がありましたが、それまでFCは吉野家一辺倒でした。なぜなら吉野家は多店舗化がかなりできていて、つまりそれは投資に対する回収が非常に早いビジネスだったからです。しかしこの事件があって、一時的に新規出店がストップしてしまった。この当時、加盟店側は赤字ではなかったですけれどね。そうすると企業として成長するか現状維持かどちらかを選択することになりますが、このとき先代は成長することを選びました。そこでその当時注目を浴びつつあったモスバーガーに目をつけ、フランチャイズ加盟することにしたのです。これがマルチFCの第1歩となります。
話は変わりますが実は私自身『吉野家』で10年間、社員としてお世話になりました (入社時働いていた新橋店の店長は吉野家HD現社長の安部修仁氏)。そこで科学的な志向であるチェーンストア理論を学んだのです。飲食業を水商売でなく、きちんとした産業に育てようということですね。ちょうど外食業がそういった波に乗っていたと思います。
その後も「成長戦略=出店」という考え方に基づき、サンマルクさんなど他業態にも手を広げていきました。サンマルクも吉野家同様、科学的手法を用いていましたし、商人道もしっかりした会社でした。ただ、今までファーストフードしかやってこなかったので、そういった意味で投資の額と投入人員数は大きかったですね。
FC本部のノウハウを活かしながら、販売チャネルの役割に集中
FCB 飲食業を中心にFCを進めておられますが、どのような業態を選ばれていますか?
中島 私どもが手がけた業態を見てみると、吉野家・和食に代表される「ごはんもの」、モスバーガーやサンマルクに代表される「パンもの」になると思うのです。お客様はどんなものが飽きないのだろうと考えたとき、やはり「主食」は外せないだろうと思いました。ですから次に必要なのは、「麺もの」ということでそば居酒屋の『高田屋』を始め、その後『牛角』も出店いたしました。まとめますと基本の部分である科学的手法を取り入れていること、専門店(牛肉、魚など)であること、主食があることを軸に業態を選んできたと思います。
FCB FCのよさとはなんでしょうか?
中島 まずは職人を使わなくて良いという点でしょうか。直営の魚専門店をやっていた頃、感じていたのは「経営者の想い」と「職人さんの想い」にはとてつもないギャップがあるということでした。職人さんは感性はありますが、当然マニュアルなどがない世界です。美味しいものをつくろうという気持ちはありますが、経営という概念がありません。これがフランチャイズに加盟することでチェーンストア理論に基づき、誰でもできるような仕組みが取り入れられたのが大きいと思います。
実際、これを取り入れたとき、私自身「これだけ細かくやるのか」と驚く反面、大変感動いたしました。吉野家での話ですが、1日に3回棚卸をするのです。それを行うことによって、人・モノ・金の動きが、一日ごとに損益もわかる。これに魅力を感じてどんどんのめり込んでいきました。
FCB ご自身でチェーンを持とうと考えられたことはありますか?
中島 あります。しかし仕入れとか商品開発とか、教育、マーケティング等を考えると時間も人員も費用もかかることがわかるんですね。ですから、こういったFC本部のノウハウを活かしながら、私たちは販売チャネルとしての役割を担うことに集中していきました。ですからロイヤリティを払うことは当然のことだと思っています。
また結果論となるのですが、先ほど話したように私たちは色々な他業態に手を出していましたが、それはリスク分散のためでした。ところが平成16年に吉野家がBSEの問題で、主力商品である牛丼販売をストップしました。この時、吉野家の損失を他の業態が支えてくれるかと思いきや、そうではなかった。逆に自社の人材が他業態に分散することで、結果的に力も分散されてしまったのです。ですから、ここ5年間ほどは業態を減らしていきました。
本部と加盟店はWin-Winの関係でなければならない
FCB フランチャイズ加盟をする企業を選ぶ基準は何でしょうか?
中島 やはり20年以上つづく歴史のある企業は偉大だと思います。逆に2~3年のアーリーステージの企業は危なっかしく感じますね。というのはそういった企業の中には、自己資金が少ないものですから、FCを利用して他人資本を活用するなど、悪用する所もあるからです。
次にトップの考え方ですね。その考えがどのように店舗で表現されているかが重要かと思います。私がフランチャイズを考えたとき、できるだけ早い段階でその企業の社長にお会いして、考えを聞くようにしています。これは先ほどのアーリーステージの企業の中にもしっかりしたお考えの方はいらっしゃると思いますね。私はフランチャイズビジネスにおいて、本部と加盟店はwin-winの関係でなければ続かないと思っています。本部が加盟店に対しどのくらい考えてくれているかは重要です。吉野家が牛丼販売を休止した時、加盟店で離脱するオーナーはほとんどいなかった。これは吉野家本部にきちんとした自己資金があり、牛丼の販売を再開するまで助けてくれたからです。こういった信頼関係が大切だと思いますね。
その次にトップの考えをしっかり具現化できているかを確認するスーパーバイザーの存在ですね。少なくとも経営コンサルできるくらいの人間が望ましいです。私はこれも社長同様、スーパーバイザーの方にも直接お会いして一緒にお店を回ったりしています。私自身にもSVの経験がありますので、店の損益やマニュアル指導の仕方など、お話を伺いながら見極めをさせていただいています。
その次に情報開示、もっと簡潔に言えば、実店舗の損益計算書を見せてくれるかどうかです。特に直近のものがいいですね。どうしてもおいしい話だけをする会社というのはありますので。ですから、私共は良い店と悪い店、両方の数字を見せていただくようにしています。また1オーナーさんが何店もっているか、労働生産性なども教えていただきます。また「本部自ら直営でもやりたいお店ですか?」というようなきき方をするときもありますね。
FCのオーナーさんにも会わせて頂き、数字を見せていただいたりミーティングに参加させていただいたり、できる限りのことをしてから加盟するかどうかを見定めています。
FCB 飲食業のみで進められているのは何か理由はありますか?
中島 接客等違いはあるものの同じサービス業ですから小売業でも構わないとは思います。ですが私が小売に手を出さないのは在庫を抱えなければいけないからなんですね。当社の特徴として、どの店も1~2日分の在庫しか抱えていません。飲食店ならではの回転率のよさに魅力を感じています。また飲食店でも専門店なので余計にそのよさが出ていると思います。
FCB 現在5業態を運営されていますね。
中島 はい。「吉野家」18店、「牛角」6店、「玄品ふぐ」1店、「茶話本舗」2事業所、そして直営の「あみもと大吉」1店となり、吉野家事業部、レストラン事業部と2つの事業部を設けています。直営の店にはFCで学んだことを活かし、収益を上げていますね。各店の事業部長はSVの役割のほか、店舗にも立ちます。またいわゆるミステリーショッパー(覆面調査)のモニターを使って課題抽出もしています。教育の点ではそのチェーン本部のマニュアルで行っていますが、私自身の商売に関する考え方を、社内報や勉強会などを通じて従業員に伝えるようにしています。お客様を創造する「夢」と収益性をあげる「そろばん」、この二つを両立するよう努力していますね。
出店ですが年に2店舗くらいです。以前はマーケットのある場所に出店しましたが、最近では人材活用しやすい場所に出店する考え方に移ってきました。ドミナントエリアで出店し、互いの店舗を応援できるのが大きいですね。現在正社員が36名、パート・アルバイトが8時間換算で150名ほどです。正社員採用ではアルバイトからの社員登用を中心に行っています。
社会のセーフティネットとしての役割も担う介護ビジネスに進出
FCB 御社の外食以外の事業にあたる「茶話本舗」に関してお聞かせください
中島 サービス業の延長線上に何があるのかを考えマーケットを大きく捉えたときに、少子高齢化が浮かび上がりました。この社会に一番必要とされているビジネスとはなんだろうと考え、またフランチャイズ化出来そうなものを探したとき、介護業界に行き着いたんですね。老人ホームや介護施設などを回らせていただいたのですが、そこで働いている職員の方は志の高い方が多いのですが、仕事を大変忙しそうにやっておられた。ところがこの介護デイサービスである「茶話本舗」は違いました。通常のホームではお年寄り10人に対し1~2人で当たるのが、ここでは3~4人で当たるので職員の方も負担が少ないのです。収益性だけでなく社会的な面やコンプライアンスの問題などもあり、難しさはありますがやる価値はあると思いました。
実際始めてみて大変な部分もありますが楽しいですね。来ていただくお年寄りの方も、そのご家族からも喜びの声を頂きますし始めてよかったと思っています。また行政の方も最初は不安がっていましたが、今では感謝していただいています。
介護サービスで難しいといわれている収益性ですがこれもクリアしています。うまくいかないといわれている理由はおそらく施設の建設費などの初期投資にあると思います。どこの施設も大変立派なものが多いですからね。当社は一般の民家を借りて,改装せずそのまま使っているので、そういった部分で負担がなかったことが大きいと思います。
現在、介護福祉士、社会福祉士の有資格者が在籍しています。よく人手不足といわれていますが、当社ではそういったことはありませんね。職場見学をしていただくと皆さん喜んで働いてくださっています。
FCB 最後に、今後のビジョンについてお聞かせください
中島 私たちの仕事の先には、多くの「笑顔」と「ありがとう」がありますので、飲食事業は、出店によりさらに便利さを提供し、介護事業に関しては社会のセーフティネットとしての役割もありますから地域社会への貢献のためにも広げていきたいと思います。
よく、「なんで外食業から介護事業に手を伸ばしたの」と聞かれることがあります。ですがサービス業をホスピタリティという言葉に置き変えた時、それは外食にも介護にも言えることなんですよね。決して簡単なことではないと思っていますが、どちらも同じ延長線にあるもので大きな違いはないと思っています。
介護事業での社員の取り組みを見て私も感心することが多々あります。ですから介護で学んだことを外食業にフィードバックすることも可能なんですね。どちらの事業に関しても一番大事なことは作業における「正確性」だと思います。例えば介護でいえば身体の起こし方であるとか、外食では魚のさばき方であるとかです。正確な作業はホスピタリティにつながります。それには働いている人たちの環境も大切ですね。よく言われるCS(顧客満足)とES(従業員満足)ですがどちらが大事と聞かれたら、ESの方がより大事だと感じています。ESあってのCSですから。お客様や従業員を幸せにするという感情と、作業への正確性つまりチェーンストア理論というロジックをプラスすることで、お役に立つ店づくりをしていきたいですね。
FCB ありがとうございました。